高度なストレス緩和について

第16回 大分合同新聞 2018年6月8日(金)より抜粋

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本日はアドラー心理学で言う縦の関係を横の関係にする具体的な方法をお伝えします。基本的に縦の関係の価値観が強いと次の様な現象が起きます。自分の考えを他人に押し付けたり・理屈を並べて他人を言い負かせたり・なによりも自分は間違っていないと他人が納得しようがしまいが関係なく自己主張を続けます。

要するに「常に自分の考えが一番正しい」と心理学ではこうなります。耳が痛いですね。夫婦間のささいな喧嘩、親子間での喧嘩、職場での役職の争い等、日常茶飯事でよく見られる現象です。

縦社会の価値観が強いと一番正しい自分の価値観と他人の価値観が違った場合、お互いが自己主張をして意見を曲げない場合、不毛な戦いになる事が多く最終的には精神的ストレスしか残らない結果になります。百害あって一理無しです。こんな時どうすればその精神的ストレスから解放されるのでしょうか?

ではどうすればストレスが減るの?

結論から言うと自らが「私が悪かったごめんなさい」と謝る事をします。耳が更に痛いですね。縦の関係を横にする場合、「自らがその不毛な戦いから降りる」事を目標にします。縦の関係だと基本的に自分が一番優位に立とうとするので周りに同じ様な人がいると同じ土俵で勝負して勝とうとします。

これを心理学でゲームと言います。ですので、そもそもその土俵に上がらなければいいのです。表現を変えると「不毛な戦いに参加しない」という事ですね。意外と「ごめんなさい私が悪かった」という言葉一言を言うだけで精神的ストレスが大幅に減り副交感神経が優位になるのが実感できます。

私はこの言葉は「ありがとう」という言葉以上に副交感神経を優位にできる言葉だと現場で実感しています。仮に相手が悪かったとしても自分が謝れる様になるとかえってストレスは生まれません。謝ると負ける様でなかなか言えませんが逆に言うと縦の価値観が強い心理的な証拠です。でも本当は負けた方が人生の勝ちなのかもしれませんね。